フランスの6月2日以降の規制措置緩和について

5月11日から続いていたフランスの感染予防についての規制措置が、6月2日から緩和され第2フェーズに入ることが決定しました。

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措置緩和についての詳しい内容については、下記を参照してください。(以下、5月28日に在仏日本大使館から届いたメールの内容を転載しています)

5月28日,フィリップ首相ほか関係閣僚は記者会見を行い,6月2日以降の措置緩和に関する発表を行ったところ,概要以下のとおりです。

【ポイント】
●6月2日以降,規制緩和の第2フェーズに入る。
●イル=ド=フランス地域圏,ギュイアンヌ及びマイヨットを,特別な注意が必要なオレンジゾーンに分類。その他は緑ゾーン。
●6月2日以降,全土で小中学校を再開。高校も緑ゾーンを中心に部分的に再開。
●カフェ,レストラン,バー等は,6月2日から営業再開可能。ただし,オレンジゾーンにおいてはテラスのみについて営業可。
●今週末から公園を再開。6月2日以降,ビーチ,博物館,歴史的建造物等の営業を再開。
●6月2日以降,自宅から100km以内の制限を廃止。

【詳細】
1.フィリップ首相(全般に関する説明)
●引き続き慎重であるべきだが,公衆衛生の観点で状況は良好。6月2日から規制緩和の第2フェーズに入る。
●ウイルスは,程度は異なるが引き続き全土で流行している。感染拡大速度は抑制できており,当初の目標よりも良い状況。
●他方,警戒は維持すべき。病院の受入能力は引き続き圧迫されている。
●イル=ド=フランス地域圏,海外領土のギュイヤンヌ及びマイヨットは特別な注意が必要なオレンジゾーン。6月21日までの第2フェーズでは,緑ゾーンである他地域よりも慎重な対応とする。
●テレワークは可能な限り継続。予防措置の徹底,マスク着用を推奨。密室での無秩序な集会は避けるべき。

2.ヴェラン保健大臣
(保健衛生状況)
●今般のゾーン判定の根拠とした,また今後引き続きフォローする4つの指標は次のとおり。
指標1:発生率 100,000人あたりの週ごとの感染者数(現在は6.14)
指標2:陽性率 PCR検査における陽性率(現在は1.9%)
指標3:R-0 各感染者が伝染する人数(現在は0.77)
指標4:COVID19患者の重篤患者向け病床占有率
●オレンジゾーンに指定された地域は,2つ以上の指標で警戒値を上回っている。イル=ド=フランス地域圏では,幾つかの県で発生率が高く,重篤患者数が多い。マイヨットは,引き続きウイルスが活発に流行し,医療が圧迫されている。ギュイヤンヌではR-0が1を超えており,感染が拡大している。
●他の県は緑ゾーンだが,ウイルスがいなくなったということではない。

(検査)
●全ての症状を有する者と高リスク接触者に対して検査を実施可能な状態。
●80%以上のケースで36時間以下で結果が判明する。
●感染者数,及びその濃厚接触者数は減少している。
●症状があれば迷わず病院に行き,マスクや検査の処方を受けてほしい。
●血液検査はウイルスへの抗体を測るもの。血液検査で陽性(抗体が存在)でも他者の感染を防止するため,社会的距離の確保等,予防行動は変化させてはならない。

3.フィリップ首相(アプリについて)
●補完的なツールとしてStopCovidアプリケーションを開発。個人情報,プライバシーを保護する仕組み。GPSは使用せず,データは匿名化され,保存期間は限定されている。国はデータにアクセスできない。6月2日から任意・無料でダウンロード可能。患者と1m以内で15分以上接触した可能性がある場合に通知される。

4.ブランケール教育大臣
●小学校については,緑ゾーンを中心に82.5%が既に再開。6月2日以降,全土で全ての小学校を再開。ただし,1クラスあたり15人が最大。並行して,課外活動(Sport Sante Culture Civismeプログラム)を用意。
●中学校については,既に95.5%が再開。全学生のうち28%が通学。6月2日以降,全土で全ての中学校を再開。緑ゾーンでは全てのクラス,オレンジゾーンでは当面,1年生(6eme)及び2年生(5eme)のみ。課外活動あり。
●高校については,緑ゾーンでは総合高校,工業高校,職業高校について一部再開。オレンジゾーンでは,証明書(certification)が必要な学生のため,職業高校を優先的に再開。
●バカロレアの口頭試験は中止。

5.フィリップ首相(その他,結語)
(カフェ,レストラン,バー)
●カフェ,レストラン,バーは,6月2日から営業再開。ただし,オレンジゾーンにおいてはテラスのみについて営業可。予防措置の実施が条件であり,すなわち1テーブルあたり10人まで,テーブル間隔は1m以上,従業員及び客の移動時のマスク着用は義務。バーについては,立ち飲みは禁止。

(観光宿泊施設)
●6月2日以降,緑ゾーンで観光宿泊施設を再開。オレンジゾーンでは6月22日以降。

(移動)
●欧州内での移動は,欧州レベルで調整の上決定される。フランスは6月15日以降の域内国境の制限解除に賛成。欧州からのフランス入国者には入国時の14日間の隔離は課さない(当該国がフランスからの入国者に隔離措置を要求している場合は相互主義に基づき同様の措置を実施)。
●欧州外との国境についても,6月15日以降を見越して欧州レベルで調整。
国内移動については,自宅から100km以内の制限を廃止。ただし,最大限,各自の責任において,不必要な長距離移動は延期するのが合理的。
(※なお,会見後の質疑応答において,イル=ド=フランス地域圏における公共交通機関に関する制限(ピーク時の証明書携帯等)の緩和については,近いうちにペクレス同地域圏議会議長と協議すると述べ,現時点で変更ない旨を説明。)

(社会的・文化的生活)
●今週末から全土で公園を再開。市長はマスク着用の義務化を要求可。6月2日以降,ビーチ,博物館,歴史的建造物等の営業を全土で再開。
●6月2日以降,緑ゾーンでプール,ジム,レジャーパーク,劇場の営業再開。オレンジゾーンでは6月22日以降。
●映画館は全土で6月22日以降に再開。
●野外での人数は5000人以下に制限。
●少なくとも6月21日まで,公共の場での10人以上の集会,集団スポーツは禁止。ディスコ,スタジアム,競馬場は閉鎖。

(海外領土)
●海外領土への移動に際しては,到着時の14日間の隔離(quatorzaine)を実施。隔離7日後に検査を行い,陰性であれば緩和する等の新たな隔離の在り方について実験を行う。
●マイヨット及びギュイヤンヌでは引き続き警戒すべき状況。

(結語)
●措置緩和の第3フェーズに移行する6月22日より前に,次のフェーズにおける措置を判断。
●本日発表した措置を実施するため,今週末に声明を出す。

参照元: 外務省「海外安全ホームページ

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