フランスの名付け「子供の名前」

私が日本人、夫がフランス人なので、日本とフランスの両方で通じる名前を付けることも考えましたが、娘はフランスでフランス人として育っていくので、私達は特に日本の名前にはこだわらず、フランスの名前を名付けました。

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私と夫、お互いが気に入る名前がなかなかなくて、フランスの名付けは日本よりも難しいかも…と感じました。まず、フランスだと名前の選択肢が少ない。日本の方が、名前の数はもちろん、漢字もあるので、呼び名と漢字の組み合わせでバリエーションが豊富です。

私がいいなと思う名前は、夫に言わせると私達と同世代の名前が多く、すでに友人&知人に同じ名前の人がいて、その人の顔が思い浮かぶから嫌だったり、単にあまり好きじゃないと言われたり。逆に夫から提案される名前も、今度は私が気に入らなかったり…

最近のフランスでは、イタリアやアメリカなど外国の名前の名付けも流行っています。(夫がフランスの名付け本を買ってきたのですが、日本の名前もたくさん載っていてびっくりしました!) ただ、フランスは履歴書に写真の添付がないので、名前があまりに外国人風の名前だと面接の前に差別され落とされることがあると聞いていたので、私はできるだけフランスの名前がいいと思っていました。

一度、夫からオーヴェルニュ地方の◯◯ という名前を提案されました。(夫の父方の先祖がオーヴェルニュ地方なので) 初めて聞く珍しい名前で、うーんという感じ…。さらに世界的に有名な映画配給会社の名前の響きに似ていて、その映画のファンだから名付けたと勘違いされそうだったので却下。(実際にフランスの名付けサイトのその名前のコメント欄に、その映画会社の名前みたいだと書き込みがあるのを発見!) 夫はかなり気に入ってましたが、諦めてもらいました。

なかなか決まらないので、次はLe prénomというスマホアプリを使いました。このアプリは次々に名前が表示されていくので、それを「保存」か「却下」のボタンで選別していきます。選別する時は深く考えず、好みの感覚でボタンを押していき、あとで「保存」の名前リストを見ながらじっくり考えて良いものだけを残していきます。夫婦でリストを見せ合って、お互いに良いと思った名前は2つのみでした。あとはセカンド、サードネームに使いたい名前が4~5つほど。

その後、夫からブルターニュ地方の◯◯という名前を提案されました。(夫の母方の先祖がブルターニュ地方なので) ブルターニュ地方に多い名前らしく、名付け本にもしっかり載っているのですが、こちらも今までに聞いたことがない珍しい名前。夫は「この名前がいい!」と乗り気だったのですが、私は躊躇していました…。

お互いに良いと思った他の2つの名前は、近年のフランスの女の子の名付けランキング20位以内には必ず入っている人気の名前。ただ特に名前の意味や由来がいいなどではなく、名前の響きが可愛いというものでした。

夫から提案された◯◯という名前は、ブルターニュ語で「天使」という意味。さらに夫の母方の先祖のブルターニュ地方の名前という由来もあるので、やはり意味や由来がある名前の方がいいかな?と私も思い直し、最終的にこの◯◯という名前になりました。

フランスは出産後、出生届けを3日以内に提出しないといけないので、出産前に名前を決定する事が多いです。ファーストネームは出産前に決まっていたのですが、セカンド、サードネームは出産後に決定しました。(娘のファーストネームと他の候補となった名前を具体的に記載するのは控えますが、セカンド&サードネームについては問題ないかな?と思うので書いてみます)

セカンドネームは、私も夫も気に入っていた「Eugénie (ウジェニー)」にすぐ決まりました。昔の名前ですが、最近はレトロな名前が逆に新鮮で、また名付ける人も多いみたいです。賢くエレガントなイメージがあるので好きな名前です。

サードネームは出産後になっても候補すらありませんでした。夫から「(私の)母親や祖母の名前にしたら?」と提案されましたが、純和風の名前なので全体のバランスがおかしくなるので断りました。その後ひらめいたのが「Marie(マリー)」という名前。マリなら日本でもある名前なのと、夫の叔母が敬虔なカトリックなので聖人の名前だと喜ぶと思うの事でした。

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日本は親の願いを漢字に込めて名付けたり、細かい意味や由来がある名前の選択肢が多いのが良いなと思いました。フランスの名前だと、例えば、月桂樹=賢さの象徴、太陽の光=明るい未来や希望、ライオン=力強さ、など大まかな意味や由来のものが多かったです。ただフランスは3つ名前を付けられるので、3つの名前にそれぞれ想いを込められるのは良いところかと思いました。

フランス人の夫は「特に意味や由来にこだわらなくても、ただ単純に親である自分が好きな名前でいいんじゃない?」と言っていたので、フランスでの名付けとはそういうものなのかもしれません。

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