ボルドーの La Cité du Vin でワインを学ぶ

ボルドー市内のホテルから、トラムに乗ってLa Cité du Vin(ラ・シテ・ドュ・ヴァン)へ。

ワインのカラフのような形をした建物。

ここは葡萄やワインについて学べる総合施設 “ワイン博物館” といったところ。レストランやワインショップも併設されています。見学者は20か国語に対応している端末(日本語有)をを受け取って、説明を聞きながら展示物を見て回ります。3階(フランス式2階)がメインフロア。大きく6つのテーマと、19の展示があって、それぞれがかなり充実した内容です。

世界の葡萄畑、地理的な違いや、各地のテロワールの独自性の説明からスタートし、葡萄品種、製造方法、各ワインの特性などへ続きます。

写真は葡萄品種についての展示、端末をかざすと説明が流れます。

五感とワインのテーマでは、ガラスケースに入った物の香りをポンプで感じとって、その香りや質感を確かめることができます。

一般的に、
・葡萄の果実に由来するものを「アロマ」
(例、ライム・洋梨、桃、チェリー、カシス、干しぶどう…など)
・発酵や熟成などの過程で香りづけられるものを「ブーケ」
(例、ナッツ、バター、チョコレート、スパイス…など)
と呼びますが、ワインを表現する言葉は本当に幅広くて、果物など実際の食べ物だけでなく”お香の煙”や”なめし皮”などもあるので、この展示ではワインを構成する様々な香りを体験できるのが楽しいです。

商船でのワイン貿易での歴史では、見学者が実際に船に乗っているように感じられる面白い仕掛けになっているスクリーン。

個人的には、ワインと川の結びつきの展示が特に印象に残りました。ドウロ、ローヌ、ライン、セーヌ、ガロンヌ、ロワールの6つの川とワインに関わる歴史。過去の旅行で実際に訪れたことのある川ばかりで、特にポルトガルのドウロ川でのクルーズの思い出では葡萄畑の景色が圧巻でしたが、現在では船でのワインの運輸は行っていないとの説明に驚きました。あんなに運びやすそうな広い川なのに…現代では車での輸送のほうが早いんでしょうね。

この展示で得た知識ではないですが、セーヌ川ではベルシーがワインの集積地だったというのは有名な話。昔のワイン倉庫をリノベーションして、今ではショップやレストランが集まっているのがベルシー・ヴィラージュです。川と並行して小道があるのは、昔は船を川沿いを歩く馬の力で引っ張っていたから。こうやって地域とその歴史について知ってから、旅行をすると楽しいです。

葡萄やワインに詳しい人には少し物足りないかもしれないですが、展示方法がそれぞれユニークなので、見ていて飽きません。ただかなりボリュームがあるので、ざっと見て3時間ほど、しっかり見ると半日くらいかかると思います。

展示を全て見終えたら、展望階へ。
ワインボトルが天井に敷き詰めらていて、ワイン博物館ならではのデザイン。

見学のチケットにワインテイスティングが含まれているので、世界各国の20種類のワインの中から、グラス1杯を選べます。私は妊娠中だったのでブドウジュースでしたが…ちゃんとワイングラスに注いでもらえて嬉しかったです。笑

帰りにワインショップへ立ち寄りました。ボルドーワインだけでなく、世界各国のワインがあります。天井まであるワイン棚…!天井が鏡張りになっているので、さらに沢山あるように見えます。

各地のテロワールについての展示のなかで知った、ジョージアワインの独自性。昔ながらの製法で、葡萄の果皮、果肉、果梗、種を全て使用し、クヴェヴリと呼ばれる地中に埋められた壺のなかで発酵・熟成させます。クヴェヴリによるワイン造りは、約8000年の歴史があり、世界最古のワインとも言われているそうで、2013年にユネスコの「無形文化遺産」に登録されました。今までジョージアワインは飲んだことがなかったので、自分達へのお土産に買ってみました。

写真は壺の形をしたジョージアワインですが、私が購入したのは普通のボトル。まだ飲んでいないので、そろそろ開けてみようかと思います。

帰りはトラムではなく、水上バスに乗ってカンコンス広場まで。La Cité du Vinの裏口に直通の乗り場があるので、暖かい季節ならガロンヌ川とボルドーの街を見渡せる水上バスがおすすめです♡

La Cité du Vin
134 Quai de Bacalan, 33300 Bordeaux

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