妊娠が判明した最初のエコーで、産婦人科医から「どこの病院で出産するか決めてますか?」言われました。「そんなにすぐに決めないといけないの?!」と驚きましたが、パリの産院は常にどこもいっぱいなので、早めに決定・申し込みをしないといけないようでした。
パリの12区には、友人・知人が出産した産院が多くあり(夫が生まれた病院や、義姉が長男と長女を出産した公立&私立病院も)、なかにはインターネットで評判のよい産院もいくつかありました。
・Hôpital des Diaconesses de Reuilly
・Hôpital Armand-Trousseau
・Maternité Des Bluets – Hospital Pierre Rouquès
その年によって違うのですが、これらの病院が「パリの産院ランキング」で上位に来ていました。
最初は12区の病院を考えていたのですが、パリの産院では出産が重なってしまうと近郊の他の病院に搬送されてしまうことがあると知り、妊娠期間中に診てもらっても出産が別の病院になってしまっては不安なので、パリ近郊で受け入れに余裕のある「Maternité des hôpitaux de Saint-Maurice(サン・モーリス病院)」に決定しました。
実際にサン・モーリス病院を訪れてみると、お城のような外観の建物に、エントランスの前にはお花がいっぱいの庭園があって、すごくいい雰囲気でした。ヴァンセンヌの森に隣接していて緑が沢山あり、敷地内もとても広くゆったりとしていて癒されます。また産科は数年前にリニューアルした新しい病棟なのも良かったです。
サン・モーリス病院での妊婦健診は毎回「Doctolib」というインターネット&アプリで予約できました。最近は電話予約の代わりにDoctolibのシステムを導入している医療機関が多く、予約日が近づくとメールやSMSで教えてくれるので便利です。病院は待ち時間が長いというイメージがありますが、私の利用した医療機関(サン・モーリス病院、産婦人科医&エコグラフィー専門のキャビネ、歯科医)は、時間予約制なので病院に着いてから待たされることがないのが嬉しかったです。
産院への支払いは全てAssurance maladie(健康保険)とMutuelle(任意保険)でカバー出来ました。フランスは(無痛分娩であっても)出産にほとんど費用はかかりません。またサン・モーリス病院の妊婦健診と近所のラボラトワーの血液検査では、毎回Carte vitale(保険証)を出すだけでよく、支払いのやり取りに時間を割く必要がないのも本当にフランスのシステムの良い点だなと思っています。(※医療機関によっては多少の支払いが必要な所もあります)
こちらの記事「フランスで妊娠・出産までの病院スケジュール」にも書きましたが、フランスでは出産までの必須エコーは3回、妊婦健診は毎月1回です。日本と比べると少ないですが、個人的にはこのくらいでちょうどよいと感じました。また必要に応じて追加のフォローがあるので安心でした。
最低限の健診で必要な場合にだけ追加のエコーや検査をするというフランスのやり方は、国が負担する医療費を抑えつつ、人手不足を防ぐため医療従事者が1人の患者にかける時間を短縮することにもつながるのかな、と感じました。そのおかげで手厚いフランスの健康保険制度を維持できているのかもしれません。
入院期間も短く、基本的にフランスでは出産してから2泊3日で退院です。その後は助産師さんが数回、自宅訪問してくれます。これも早く自宅に戻ってゆっくりしたい私にとっては、すごくいい制度だと思いました。(私達は娘が小さめだったので、すぐに退院できず結果的に4泊5日でしたが…)
退院日には病室に女性フォトグラファーが来て、ニューボーンフォトを撮影してくれるサービスがありました。インターネット上からダウンロードでき、1枚は無料、その他の写真やアルバムは購入するシステムでした。残念ながら娘の表情がよくなかったので出産報告ハガキには自分達で撮影した写真を使いましたが、赤ちゃん&家族の写真も含め色々と撮ってもらえるので、いいサービスだと思いました。これは割りとどこの産院でもやっているみたいです。
最後に、サン・モーリス病院は出産直後から「母子同室」でした。赤ちゃんに問題がない限り、夜間も預かってくれないので、その点のみ大変かもしれません。(私は同伴者も宿泊可能な個室を希望して、夫と一緒に滞在していました) ただ出産後は病室に助産師・小児科医が頻繁に様子をみにきてくれます。スタッフ間の伝達もしっかりしていて、親切で感じのよい人が多く、家庭的な居心地の良さがある病院でした。パリ東部・12区周辺で産院を探している方には、是非おすすめしたいです。